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architecture, design, art, film, memorandum

April 2012

ポスト村落共同体


nievepro



石川県七尾市というところで街起こしをしようと
いろいろと活動している友人がピックアップしていた、
nieveという集まり.

東京で働きながら、週末は新島でハウスシェアをして、
そこで農業をしながら、バーをやったり野菜を売ったりしている彼ら.
ちょっと実体は分からないけど、
いろんな可能性を感じたし、ふつーにこういうことがやりたいと思った.

二拠点居住スタイル というのは、
R不動産の馬場さんが千葉の房総と東東京でやっていて、
それについて書かれた本を読んだときから、
なんか素敵だなーと思ってた.
彼の場合は、サーフィンのできる一戸建てで、
何人かで大きめの土地を購入してそこに何軒か建てて、
ヴィレッジ的にして住まうというものだった.
東京で100m2のマンションに住むのと、
東京で30m2と房総で100m2両方持つのが同じコストなら、
こっちの方が楽しいじゃないか、リッチじゃないか というロジック.

これはこれで素敵なんだけど、
今回、ピンときたのは、
僕が最近シェアハウスが新しい村落共同体みたいなものになれるんじゃないかと
思っていた矢先、
シェアハウス x 島 x 農業 x デザイン x 商売 という、
めちゃくちゃおいしいところ取りの彼らnieveの活動を知ったからだった.
そこらへんを整理してみる.


シェアハウス x 島
新島は品川らへんの港から2時間そこそこで高速艇で行ける場所.
これは電車で1時間で行ける房総と比べると、
若干利便性は落ちるわけだけど、その分の異世界観が味わえ、
十分な費用対効果があると感じる.

シェアハウス x 島 x 農業
さらに、ここに農業が加わる事で、サーフィンのように
フローのアクティビティじゃなく、ストックとしてのアクティビティが発生する.
そして、これは、崩壊したけどずっと日本の骨格だった、
村落共同体と同じ様なストックだ.
違うのは、彼らが半強制的にそこに住まうのではなく、
選択的にそこに住まい、選択的に共同体を生成できているところ.
ここが、地縁にしばられていた旧村落共同体と大きく違い、
その意味で画期的に新しいと言える.
これまでの、UターンやIターンじゃない、言うなればOターン.
そこが詰まらなくなれば、また違う場所で、
ひょっとしたら違う仲間と共同体をつくることも許容されるような、
ゆるい包括生のある共同体なんである.
で このゆるさ が 社会システム的には重要で、
なんだかこれから成長しそうな気がする所以である.

シェアハウス x 島 x 農業 x デザイン
さらに、彼らはエディターやデザイナーがいたりして、
自分たちの生活やその風景をインテリアやパッケージやweb上で
デザインしている.
これは、ただ住まうよりも、もう一つリッチな暮らし方だし、
彼らのデザインで、少し大きな地域にもそういう
サイトスペシフィックなアイコンができてきたら、
失った地域のカタチみたいなのをもう少し共有できるかも知れないし、
ある種非生産的なものを生産できるというのは、
文明的に非常に重要なファクターでもある.

シェアハウス x 島 x 農業 x デザイン x 商売
おもしろいのは、
そういった、刺激的なパッケージを、商売というパッケージにして、
発信しているこということ.
自分たちでつくったアシタバを、パッケージデザインして、
売り方を地場の人達に学んで、島外に売る.
それをweb上で公開する.
だから、
この新しい村落共同体は、
分断されながら繋がっているんである.
これが、現代人が感じる、すごく大切なファクターなんじゃないかと、
僕は思うし、だからすごくエキサイティングな暮らしだと言える.


多分、
彼らはただ、楽しい事がやりたくてそういったことを
やっているんだと思うんだけど、
多分、きっかけはそれで良くて、意味付けはまた別の人がすればいい.
僕は、こんな妄想を抱えながら、
そういった新しい村落共同体をつくり出すプレイヤーの一人になって、
その後サポーターにもなって、おもしろい日本をつくっていきたいと思った.


モテキ

moteki



遅ればせながら、やっとモテキを観た.
ドラマも昔ちょいちょい観てて、
映画やってる時からずっと気になっては居たけれど、
足が向かず行かなかった.

観た人みんなが、
あの長澤まさみはやべー って言ってるのは、
何となく分かった.

最後の泥んこになりながらキスするシーンだとか、
けっこうキュンキュンきた.
昔付合っていたコが、ショートでボーイッシュで
劇中の彼女にけっこう似ている雰囲気で、
最後に逃げるところとか、
まじ、うわー、あいつも逃げるよねぇ とか思い出しながら観てた.
僕はそういう時追わなかったんだけど、
今度そういう機会があったら、
ちゃんと追って行ってムチューっとしてみようと思いました.


しかし、
僕が最も心に残ったのは、リリー先生の、

「おまえさぁ、彼氏が居ないってことは、世界中にライバルがいるってことなんだよ.
でも、彼氏がいるってことはさぁ、、、
ライバルは一人ってことなんだよ!!!」

おぉ、、、
なんていう大胆な発想.
先生、目から鱗でした.
僕としても、

「彼氏が居ても、結婚するまではフリー.」

といつも思っています.
通じるものがありますね.


劇中の4人、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、まきようこ、
キャラ設定的に確かに一番魅力的なのは長澤だった.
麻生と長澤の間で揺れるところとか、
あるあるのシーンで、うまいこと描写しているなと感心した.
宣伝では4人て言ってるけど、実際はこの2人だけで、
それでもまあ、十分楽しめる内容だった.

さらに、
劇中の音楽が完全にアラサーど真ん中で、
アラサーど真ん中の僕としてはこれまた盛り上がった.

これはまた観たいな.

惚ける空間



IMG_6773



軽井沢の千住博美術館に行ってきた.

人生ベスト3に入る建築になった.


もともと、全然sanaaファンではなく、
むしろ、少し離れて眺めているくらいだった.
けど、rolex learning centerの新境地から少し近づいてみたくなり、
リュウエの千住を雑誌で見た時から、
是非この空間を体験してみたい と 心が近づいていった.

実際に行ってみて、完全に入った.

weekend house
鬼石
金沢
rolex

今までのsanaa/リュウエの変遷の末、
最良の敷地と最良の施主、最良のプログラムとコンテンツに
恵まれて生まれた、21世紀を代表する建築だと思う.
てか リュウエってこれを生み出すために生まれたんじゃない?
と 思うくらい よかった.


zahaやbigやrolexのように、フラットな場所に
無理矢理アンジュレーションをもったヴォリュームと床を生み出すことによって
できる空間とは、この自然の地形に沿った緩やかな床は、
まず一線を画するし、この繊細な変化が、すごく日本的だなと思った.

また、そこで敢えて対比的にフラットな屋根や平面を持ち出すのではなく、
これまでのsanaa作品の流れをそのまま貫く事で、
視界や動線の起伏がより多層化し、
一回りしたら1分程度の空間に、無限の奥行きを生み出している.

また、
モルタル金鏝仕上げのシンプルな床にパスを示すカットパネル、
サッシュの無い、シールだけのシンプルなガラス壁面、
ピン角とカットパネルで仕切ったミニマムな床吹き出し空調、
少し彩度を落とした柱、展示壁も兼ねる構造壁、
さらに、床壁と縁を切った展示壁、
最低限のダウンライト.

空間の魅力を最大限に引き出すために最低限に削り落としたディテイールが、
ややもすると、ダラダラしていしまう曲線ばかりの空間に
緊張感をもたせ、ちゃんとした建築の顔をつくっていた.

特注の長椅子も、
空間の視覚上、動線上のアクセントとして機能し、
ホント、何もかもが絶妙だった.

さらに、
カラーリーフ園? 的になっていて、
写真にもあるように、絶妙なサイズでカラフルな植栽が、
中庭に光と共存し、シンプルな空間に彩りを加える.
もう、他の色なんていらなくなるわけで、、、


ホント、
めちゃくちゃよかった.
また行きたい.
rolexと豊島にも行きたい.




当事者意識というヤツ


TEAM


ここ数週間、100x40mくらいの空間のインテリアを一人で担当している.
しかも、全部三次元曲面や多面体.

そもそも、他のチームは4、5人のチームでやってるのに
この割り振りは一体どいういうことだ? と思うのだけれど、
組織体制は置いておいて、、

案づくりと作図までは一人だけれど、
さすがにモデリングは一人でキツ過ぎるので
オペレーターさん2人と作業をしてきた.

いつもうっすらと感じてはいるんだけど、
今回、切迫したスケジュールと形態だったので、
心がやばくてこの言葉が何度も口から出かかって止めた.

「当事者意識をもってください」

コレ、ただの言葉だけかと思いきや、
コレが無いと、本人のプロジェクトに対する姿勢が全く違うので、
何度も同じことを繰り返して伝えなきゃならなかったり、
検討を一緒にしようとしても、
半分上の空、早く具体的な指示だけ欲しい という感じ.

挙げ句、三次元曲面とかまじイヤだ とか言われるし 涙

ホントは、チャレンジングでおもしろいプロジェクトなのに、
当事者意識が無い人たちと一緒にやると、
全然おもしろくない.自分の”当事者意識”まで失われていく.

これは恐ろしい事だなと思った.

もっと、
一緒にチャレンジングなモノをちゃんとつくりたい と
思ってくれる人と仕事をしたい.
コレって、今の場所にいると すごく簡単そうなのに、
すごくすごく難しい事だ.
だから早く辞めよう.

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