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architecture, design, art, film, memorandum

September 2010

ハレ時々ハレ


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渋谷もお祭りシーズンで、道玄坂 - 文化村通り とか 円山町とか
いろんなところで祭り囃子が聞こえて、神輿が練り歩いていた.

写真は109の前.
渋谷らしく、道路の半分はふつーに車が通って、
その中を神輿を担いで行く.

昔は365日のうちの殆どがケで、祭りという
数日のハレのために、いろんなことを我慢してきたり、
それを発散したりしていた.

祭りの時のテンションたるや、今の比では無いだろう.

渋谷は毎日がハレで、みんなハレを味わいに渋谷に来る.

そんな中で、昔ながらのハレというレイヤーがハレ街渋谷にかかる.

109の前のイベントよりずっと重厚感はあるし、
日本人として心を動かずにはいられない光景だけど、
ハレ時々ハレだと、
なんか一緒に盛り上がろうという感じにはならない.


ハレとケのコントラストが、祭りには大事なんだと思う.

代々木公園ですら、フェスティバル時と通常時のコントラストがあって、
だからこそなんだか楽しくなる.
いわんや地方をや という感じだ.


けど、
だからと言って、無くなって欲しくはない.
うちの前の道も子供神輿が通って、ほんわかした気持ちになった.
ハレとケではない、
現代的な神輿や祭りの解釈や役割が、もう少しあって欲しいと思う.

EXPO2010 SHANGHAI



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デンマーク
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イギリス

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スウェーデン

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オランダ

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ロシア


僕にとっては建築のファサード見本市である上海万博に行ってきた.
並んでるパヴィリオンンの中身は見ない というルールのもと、
9割のパヴィリオンをみた.
フォルムやファサードが気になったパヴィリオンは中に入ったり、
中景近景で写真を撮り、ファサード調査をした.

そんな中でおもしろかったのが上の5つ.
あと、フィンランドとフランスも綺麗だった.


総観としてして思ったのは、デザインクオリティというか、
デザインリテラシーの国ごとのばらつきの大きさ.

デザインリテラシー最強はやっぱり北欧で
デンマーク、スウェーデン、フィンランド、どこも圧倒的にクールだった.

その次が、
イギリスが頭一つ分抜けて、フランス、ドイツ、ロシア、スペイン、スイスと
西欧東欧諸国が続く.

その次に
経済力の弱いヨーロッパ諸国がきて、
アジアがやっとやってくるという印象だ.

アフリカは独自のパヴィリオンを出せていないからまだ参戦しているとは言えない.


同じ様な教育レベルや経済レベルがあるにもかかわらず、
アジア勢のデザインリテラシーはすごく低い.
敢えてリテラシーと言っているのは、
パヴィリオンは、デザインを提案する側とされる側の合意によって、
どちらかというと、される側の意思によって成立しているからで、
なんでそれでゴーサインを出した?

憤らずにはいられない.
だから、デザインリテラシー.

また
フランスやドイツはすごい、彼らっぽい、
自分たちの色が全面に出たパヴィリオンになっていると思う.
カナダとか、もそう.
圧倒的にクールではないけれど、自分たちの国らしさがデザインとして
表現されている.
我らが日本は?

変な色してるし、グラーツアートセンターと似てるし、、
微妙だ.
が CGで見るより実物はちょっぴりよかったと思う.
本当に悲壮感漂うアジアエリアで、
一応キーテナントとしてコンテンツだけじゃなく、
外観も成立していた. 気がする.



ファサード見本市については、、
また今度ゆっくり書こう.

滑り込みで受かった一級一次のおかげで、
来月10日まで修羅場だ.
来週からは5:30起きで製図しないと二次には滑り込めね!!






アメリカ大都市の生と死


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ジェーンジェイコブスの名著、
「アメリカ大都市の生と死」を先日読み終えた.

おもしろい!!

昔の人の文章って現代の人の文章に比べて
もちろん個人差はあれど、
回りくどくて読んでてしんどくなるなと改めて思った.


自分の頭の整理のために少し内容をまとめたい.
この本の最大のテーマは、
都市は多様な人や街路のネットワークであり、
そこに都市の魅力や価値がある というもの.

それを当時、今もそうだけど再開発はぶっ壊していて、
価値をキープするために必要な要素の分析やその手法の提案をしている.

僕が修論で”渋谷における都市の賑わい”の生成要素 を
探った研究をしたときも、
知らない間に街路に突き当たり、街路の分析をしていたが、
彼女の話も基本的には街路をベースに行われている.
その長さやそれに面する店舗の多様性、その店員の公共性、
そこから発展していく人のネットワーク など.
1部ではそういった話のアウトラインが語られている.

2部では、
その多様性の条件 が語られている.
多様性を生み出すもの 
1 混合一次用途の必要性
2 小さな街区の必要性
3 古い建物の必要性
4 密集の必要性

それぞれ、彼女は研究者ではないので具体的な数値ベースで
語られているわけではないし、網羅的かどうかは分からないが
少なくとも都市の多様性や発展を考える上で必須の要素とは思う.
これらの1つでも欠けると、
確かに都市としての発展は難しいだろう.


そして黒川記章が翻訳していなかったのがここからで、
3部では衰退と再生をもたらす力
・多様性の衰退が2部で述べた要素が欠くことによって起こること
・公園・広場第一主義への警笛 都市の真空地帯について
・スラムは本当にスラムか?いつスラムになるか.
・3種類のお金の重要性.
 銀行からの融資、政府からの給付、裏社会のお金

時代や国的な背景は確かに違うけれども
これもそれぞれ注意すべき点であるし、当時は相当な盲点だったと考えられる.


4部では
都市再生へのいろいろな方策への彼女の提言
・都市の侵食か自動車の削減か 
  都市における自動車の削減ではなく都市による自動車の削減
・視覚的秩序の可能性と限界 連続性よりも断片 ピースの組合せ
・都市とはどういう問題か 数学的3段階の分析手法で考える
など

ほかにもいくつかあったが、上記3つは現代でも
なるほどな部分が多くあった.
もちろん、その後実際に実行されているものもある.



以上、
都市における観察をベースに
都市の多様性の重要性を述べ、その構成要素、
それが無い場合の衰退、それをベースにした現状の方策への提言と
てんこ盛りでおもしろい.
なぜ黒川は1 2部で訳を終わらせたのか? なぞ.

そして、今回の翻訳者の人が巻末でオススメしているのが
「市場の倫理 統治の倫理」
行政と民間双方の必要性や役割みたいなことが書かれているらしい.
残念ながら絶版なので、図書館に行くしかなさそうだ.


都市は本当におもしろい.

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