最近 行政法規のテキストや問題集だけの生活は
少し頭に良くないと思い、
久しぶりに別テイストの本を読む.
司馬遼太郎とドナルドキーンの対談
「日本人と日本文化」
建築を始めて良かった事の一つは
日本文化との出会い で
始めは日本建築と日本庭園 とかから入ったのが
その裏の文化だとかにまで興味が波及する.
対談で面白かったのが、
日本の歴史文学の巨匠 と
日本文学や歴史の大見識 の対談.
立証されたり、定説だったりすることではなく、
そんな彼らが伸び伸びと 彼ら曰く、
初老の日本好きな男二人が、
ばったり場末の居酒屋で出会って
酒飲み話がてら 話を進める.
という ユルくも深いトークセッション.
西洋や中東だとか 世界の殆どの国では
宗教が強くて 大概 一つないし二つくらいの宗教を
国全体で信仰していて
それが 彼らのモラルの在り処になっている.
一方、
日本.
誰もが知るように、無宗教 宗教のイベント化、
一本の守ってるモラルなんて無くないか?
という感じ.
司馬さんいわく、
それは 日本人の 「恥の文化」 だ. と.
木造住宅を密集して住まう日本人は
襖をあければ もうお隣 という
他者との距離感を共有し続け、
その結果、
こんなことしたら 恥ずかしくて 会わす顔が無い.的な
「恥ずかしい」 という
非常に シンプルな感情が モラルとなり
日本の犯罪数を先進国最下位 という結果に導いている.
らしい.
すごく納得いくかんじがした.
で
近代以降は 石に囲まれた住宅、
お隣と隔たりの強い 距離感覚.
これが 日本人独特の
「恥ずかしい」
という、 シンプル且つ強力だったモラルを
消していってるのかもしれない.
深いね.
司馬さん.
それに応えるキーンさんも また深い.
次は 久しぶりに 坂口安吾の「日本文化私観」
読みたくなってきた.もちろん「続・」も.
関係ないけど、
写真撮りに行きたいな.
来週は どっか行こう.